2008年07月30日

刑事訴訟における証人尋問

証人とは,自己の経験に基づいて知り得た事実を裁判所に対して供述をする訴訟の第三者である。この証人には原則として誰でも証人適格(証人なれるための資格)がある。

もっとも,T刑事裁判の真実発見よりも公務上の秘密保護を政策的に優先させるため監督官庁の承諾がなければ証人として尋問することはできない(144条)。また,U訴訟関係人は,当該訴訟について公正な証言を期待できないので,証人適格を欠く(20条4号参照)。さらに,V被告人は憲法上黙秘権(38条1項)が保障されるため,証人適格を欠く。そして,被告人が自ら黙秘権を放棄しても証人適格は認められない。これは,証人は訴訟の第三者であるから証言の構成を担保され,また,被告人質問(311条2項・3項)で足りからである。

証人尋問は,証人の同一性を確認するために,まず人定質問(規則115条)を行い,宣誓を行わせ(154条),偽証罪の告知(規則120条)をしたあとに証人尋問を行う。法律上は,まず裁判官が尋問をしたあと,当事者が尋問をするという職権尋問の方法による(304条1項・2項)。実際上は,当事者主義に適合的であること,予断排除の原則から裁判官には尋問事項がわからないことからまず当事者が交互尋問の方法で行われている(304条3項・規則199条の2)。

この証人には,出頭義務(150条・151条・152条),宣誓義務(154条),証言義務が課される。一方,旅費・日当・宿泊料を請求できる(164条1項)。また,証言拒否権が一定の場合に認められる。すなわち,T自己負罪拒否特権を具体化する趣旨から,自己が刑事訴追・有罪判決をうけるおそれがある事項については証言をしないことができる(146条)。またU親族間の情愛を尊重するという政策的見地から自己の配偶者などが刑事訴追・有罪判決をうけるおそれがある事項については証言をしないことができる(147条)。さらにV一定の業務上の秘密を守る必要がある場合にその利益を守るという政策的見地から一定の職業にある者がその業務遂行上知った他人の秘密については証言をしないことができる(149条)。

また,犯罪被害者が証人である場合には,お礼参り(お宮参りではないので注意が必要である)などを証言過程を通じて二次被害を防止するために,T被告人の退廷(304条2項),U傍聴人の退廷(規則202条),V証人の付き添い(157条の2)・証人尋問時の遮蔽措置(157条の3),ビデオリンク方式による証人尋問(157条の4),W審理の非公開(憲法82条2項),X公判期日外証人尋問(281条)などの手段により証言を得ることになる。

posted by まったりな。 at 06:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック