2008年08月27日

民訴平成18年第1問

訴状の必要的記載事項の趣旨を明らかにした上で,その不備を理由とする訴状の却下について,その裁判の形式と効果を踏まえて,説明せよ。

(出題趣旨)
訴状に必要的記載事項の記載が要求される趣旨の基本的な理解とともに,その記載に不備がある場合に裁判長の命令によって訴状が却下されることの趣旨及び訴状却下命令の効力について問う問題である。訴状の必要的記載事項が当事者の確定及び訴訟上の請求の特定のために要求されることに触れ,裁判長の訴状審査権と補正命令の概要を説明した上で,訴状却下命令のための審理において口頭弁論が開かれない理由や命令の既判力の有無等を論ずべきである。

(骨子)
(1)訴えの提起は,訴状を裁判所に提出してなすのが原則である(133条)。そして,当事者および法定代理人(133条2項1号),請求の趣旨および請求の原因(133条2項2号)が訴状の記載事項として法定されている。これは,記載を欠いた訴状は被告に送達するのに値しないので,補正されなければ訴状を却下するという効果(137条2項)が結びつけられているところから必要不可欠な記載事項といえる。すなわち,当事者が確定しなければ訴訟は開始すること自体が無駄でである。また,保護を求める権利関係とその権利関係の保護のために原告が求める判決内容を明らかにしなければ,裁判所に審判の対象を明示し,被告に防御範囲を告知することによってその訴訟活動を無駄にしないようにしている。

(2)訴状が提出されると,訴状が補正されるべき状態にある場合(規則56条)には,裁判長は補正命令を発し(137条1項),そして,原告が補正命令に応じない場合には,裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。また,裁判所書記官に命じて補正を促すこともできる(規則56条)。これは,訴状送達前の段階では裁判所・原告間のみが存在することを考慮し,簡易迅速な処理する趣旨である。

(3)訴状の補正命令と却下命令は実体関係について,判断をしていないことから既判力は生じない。また,裁判長の訴状却下命令に対して,原告は即時抗告することができる(137条3項・規則57条)。補正命令の当否は,訴状却下命令に対する即時抗告の中で判断すれば足りるので,補正命令に対する独立の不服申立は認められていない。また,訴状を書き直したりあたら名事項を加えたりした訴状により訴えを提起することができる。

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パトラッシュ,疲れたろう。僕も疲れたんだ。
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posted by まったりな。 at 00:03 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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