2008年10月08日

憲法15年第2問

政党が民主政治において重要な役割を果たしていることにかんがみ,政党助成金の交付を受けるためには「党首を党員の選挙によって選出しなければならない」との条件を法律で定めたと仮定する。この法律の合憲性について論ぜよ。

(出題趣旨)
憲法には政党に関する規定がないが,政党は政治のなかで重要な役割を果たしており,憲法学でも統治に関する重要な論点となっている。本問は,法律による政党規制,特に政党助成金交付の条件として党内民主主義を要求することの是非を問うものである。

(骨子)
1まず,政党助成金を交付することが憲法上許されるか。政党とは,政治上の意見を同じくする人々がその意見を政治過程に反映されるため結成された政治集団をいい,21条1項の「結社」として憲法上その存在が認められる。そして,今日の議院内閣制(66条3項),代表民主制(43条)の下で,政党は国民意思を国会・内閣へと媒介する重要な役割を果たす。なるほど,政党は私的な団体であることから,その自主性・自律性を重視すれば政党助成金を交付することは許されないと思える。しかし,政党助成金は政治腐敗が生じることを防止し,もって政党の民意の集約・媒介・実現という機能を充実させることにある。そうだとすれば,前述の政党の果たす役割に反するものではない。また,89条の趣旨は私的団体の自主性の確保ではなく,濫費防止にあることから政党の重要な役割を考えれば冗費とは直ちにはいえない。以上から,政党に政党助成金を交付すること自体は憲法上許される。
2では,政党助成金交付の条件として党内民主主義を要求することは許されるか。なるほど,政党の内部自治への介入により自主性を失わせるおそれがある。とすれば,党内民主主義を条件とすることは許されないとも思える。しかし,政党助成金を受けるための条件に過ぎず,すべての政党に党内民主主義を強制するものではない。また,「党首を党員の選挙によって選出しなければならない」という条件は形式的な手続を定めたもので,このような条件は容易に充たすことができる。さらに,濫費防止という89条の趣旨からは,民主主義を進展させる意味で党内民主主義を要求することが必要ともいえる。以上から,政党助成金交付の条件として党内民主主義を要求することは許される。
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パトラッシュ,疲れたろう。僕も疲れたんだ。
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posted by まったりな。 at 12:13 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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