![]() 難解な民事訴訟法を,実務をふまえて明快に解説。図解を多用し,読者の理解を一層深める。 |
民事訴訟法の基本事項・基本論点について,71項目に渡って,網羅的に勉強できる。問題となる背景や前提知識を丁寧に書かれている点で,単なる論点本・予備校本と一線を画する。ほとんどの論点で,諸説とその帰結・理由を挙げ自説を展開するというスタイルで書かれている。そのために読みやすいし,どの立場の人でも利用できる。脚注も分かりやすく書かれていて教育的配慮も行き届いている。ただ,残念なのは判例索引がないところである。でも,項目ごとに独立して読めるのであまり問題がないかな。
初版からの変更は,はしがきによると”訴えの客観的併合”が加筆され,平成8年改正および平成15年改正を独立の項目から削除し,その内容は各項目の中に盛り込まれている,さらに民事訴訟法の理解に必要不可欠で有用な図表を掲載したそうです。
手続の流れと基本項目が浮かぶくらいの人は,本書を読んで理解を深めることがと思います。論文試験で必要な主要な問題点はフォローされており本書だけでも知識面は事足りると思います。民訴百選の第3版に対応しているほか新しく出された基本書や文献にも言及されているため発展学習にも威力を発揮します。その他,基本書で難解な部分をこの本でまとめるなどという用途にも十分対応できる良い本です。あと,本文中でゴシック体になっている部分があるのですが,おそらく重要部分か注意喚起なのだと思うのですがイマイチ意図が不明です。
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