2008年12月30日

民訴平成20年第1問

弁論準備手続について,口頭弁論に適用される諸原則を踏まえつつ,手続の特徴及びその終結の効果を論ぜよ。

(出題趣旨)
弁論準備手続が争点及び証拠の整理手続の一つであり,口頭弁論とは別個の手続であること,口頭弁論に適用される公開主義との関係で手続の開始や終了,傍聴の場面で当事者の意向が重視されていること,公開主義及び直接主義との関係で口頭弁論において手続の結果を陳述しなければならないこと,適時提出主義を具体化し,訴訟の促進を図る趣旨から,手続終結の効果として時機に後れた攻撃防御方法の提出について説明義務が生ずること等を中心に,弁論準備手続の意義及び機能を論ずべきである。

(骨子)
(1)弁論準備手続とは,口頭弁論期日外の期日において,争点・証拠の整理を目的して行われる手続をいう(168条)。裁判の審理は口頭弁論において,当事者が主張・立証を行うのが原則である(87条1項)。しかし,紛争を迅速に解決するためには,争点・証拠を整理して裁判を行うのが望ましい。そこで,口頭弁論とは別に,弁論準歩手続を行い,集中証拠調べ(182条)を行うようにした。
(2)そして,弁論準備手続は,迅速円滑な争点・主張・証拠の整理のため,開始・終了は裁判所の判断による(168条)が開始に当たり当事者の意見が聞かれまた両当事者の申立てがあれば取り消されなければならない。これは,当事者双方に主張を述べさせる機会を与えるという双方審尋主義に配慮している。また,弁論準備手続は,原則として非公開でなされる(169条2項)。口頭弁論では,公正な裁判を担保するため審理が一般公開される(公開主義・憲法82条)。しかし,率直な意見交換により争点・証拠を整理するために非公開とされているのである。ただし,当事者の立会い(当事者公開・169条)と傍聴することが相当と認める者(関係者公開・169条2項)には公開して公正な裁判を担保しようとしている。さらに,弁論準備手続は裁判所が行う場合は,書証の証拠調べ,人証の採否等の裁判をすることができる(170条2項)。これらを受命裁判官が行う場合は,制限があり人証の採否等の裁判を行うことはできないが調査嘱託・鑑定嘱託・書証の申出・文書送付嘱託についての裁判を行うことができる(171条3項)。これは,弁論準備手続は口頭弁論ではないが争点・証拠の整理の実効性を確保するためである。
(3)当事者は。口頭弁論において,弁論準備手続の結果を陳述しなければならない(173条)。これは,弁論準備手続は口頭弁論ではないので,弁論の聴取・証拠調べを判決をする裁判官自身がしなければならいという直接主義の要請を確保するためである。また,この手続をおこなうことにより公正な裁判が確保されるという関係もある。また,弁論準備手続終了後に攻撃防御方法を提出することは禁止されるわけではないが,相手方の求めがあれば理由を説明しなければならない(174条,1671条)。これは,弁論準備手続の実効性を担保する趣旨である。

posted by まったりな。 at 07:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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