2009年05月25日

『スタンダード所得税法』

スタンダード所得税法 補正版スタンダード所得税法 補正版

弘文堂 2010-03-16
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租税法については,新司法試験で選択科目になるなど学習が多少増えている状況がある。基本書としては,租税法 <第14版> (法律学講座双書)租税法 第4版などがある。これらの基本書の前に基礎的な知識を得るための本がイマイチなかったのですが,このスタンダード所得税法はその要請にぴったりの本です。すでに一度学んでいる人にも重要事項の再確認のために利用できるのでお薦めです。

はじがきには,”所得税法を学ぶ人たちが効率的に必要十分な知識と理解が得られることを最大のねらいとした”とある通り,教育的配慮が随所に盛り込まれています。イメージをつかみやすいように事例・図表を多用してまとめとしてポイントを最後にまとめて随所においてます。利用方法などについては,「本書の利用について」を読めば詳しく述べられていますが,一通り学んだ人にも利用しやすいように配慮されているサービス精神満点です。ちなみに21年度の新司法試験の租税法における所得税法の出題部分は本書を丁寧に読んでマスターしていれば十分対応できる出題でした。その意味で,”初歩から始めて「所得税額算出の法的構造がわかる」というところまで扱っていますので、新司法試験にも各種国家試験にも対応できます。”というのは偽りがないといえるでしょう。

もっとも,租税法 <第14版> (法律学講座双書)の「第1編 租税法序説」で扱われているような内容は詳しく触れられていないのでそういった部分をフォローしなければならないです。もっとも本書の狙いが上記にようなところにあることから,触れられていないこと自体に問題があるとは思えません。むしろ,著者は書いていて面白くないだろうなと思えるのですが,そう言った部分を全く感じさせずに学習者にサービス精神旺盛なところが高く評価できます。また,発展学習に耐えうるように文献ガイドが載せられていたり,ケースブック租税法 第2版とのクロスリファレンスが付けられていたりします。あと,Chapter1 所得税の基礎の 2課税単位の部分(26ページ以降)で税額の計算をケースを使って説明していますが,超過累進税率について触れられていないので,面食らうかなぁと言う部分が,他の部分が丁寧に説明されているだけにちょっとだけ残念です。

ケースブック租税法 第2版 (弘文堂ケースブックシリーズ)

法律家を志す人にとって特に重要である基礎理論,所得税,法人税,相続・贈与税の4分野をカバーし,具体的な事実に即して法の適用と判例法の形成について理解でき,実務的能力や感覚を養成できる最高水準の判例教材。

本書は初めて所得税法を学ぶ人や一通り学んだけどイマイチしっくりこないような学習者にスタンダード所得税法をお薦めします。

posted by まったりな。 at 19:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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