2009年07月23日

『行政法概説〈1〉行政法総論 第3版』

行政法はなかなかイメージが湧きにくいし,なんだか取っつきにくい感じの科目です。それでも,行政不服審査法や行政事件訴訟法は手続法で条文の解釈が中心になるのでなんとかなるような気もします。一方,行政法総論は理屈っぽくってなかなか難しいです。行政法概説〈1〉行政法総論 第3版は基本概念から説明をされて理解できるように書かれています。なんとなく苦手という方にお薦めします。

もっとも,判例の言及は沢山あり,下級審裁判例も多数上げられています。ほかにも多くの行政法令にも言及されているところが特徴的です。これはイメージが持ちやすい反面,情報が多すぎて読んでいるとだんだん木を見て森を見ずという感じになりかねないように思います。なおポイントが各章の冒頭にあり,これは暗記しておくべき(暗記した方が良い)事項のようです。大文字と小文字の部分は小文字の部分は基本概念が頭に入ってから読んでおいた方よいでしょう。最新判例も言及がされ,判旨の紹介も適格なのでお薦めです。ただ,概説書ゆえに凜論的な部分については物足りなさを感じます。その場合は,塩野先生の本などを読むのをお薦めします。

なお,第3版では,行政不服審査法や行政手続法の改正案にも言及されています。ただ,2009年7月21日に衆議院が解散され,17の政府提出法案が廃案となり,行政手続法改正案,行政不服審査法案と行政不服審査法施行関係法整備法案も廃案になっています。その点は注意が必要です。これらの概要については,ジュリスト 2008年7月15日号(No.1360)の「【特集1】行政不服審査法・行政手続法改正に向けて」と
ジュリスト 2009年2月1日号(No.1371)と「【特集】行政不服審査法改正・行政手続法改正の検討――行政法研究フォーラムでの検討結果」を読むと良いと思います。

行政法概説〈1〉行政法総論 第3版行政法概説〈1〉行政法総論 第3版
宇賀 克也

有斐閣 2009-04-09
売り上げランキング : 68523
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る

posted by まったりな。 at 06:01 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック