2009年08月01日

『行政法概説〈2〉行政救済法 第2版』

いわゆる行政救済法の分野の概説書ですが,読者として対象としている人が広範にわたるため情報量が半端じゃありません。行政法を初めて学ぶ方は大きな文字のところだけ読んでいくのがよいと思います。行政救済法は行政法総論と異なり条文解釈中心となりますが,手続がメインであるため判例がとても重要になります。本書では,下級審裁判例までもコンパクトに取り上げられています。そのかわり論点についての記述がちょっと物足りないような感じがします。問題点の指摘だけの部分もあります。この物足りない部分は塩野先生の本などで補うことが必要だとおもいます。

大変参考になったのは,行政事件訴訟法で訴訟類型について下級審裁判例に言及しているためイメージが湧きやすく,訴訟類型の理解が進んだと言えるところです。しかも行政事件訴訟法は判例の動きがいろいろ有るために多くの最新判例や裁判例にあたるのは有意義だと言えます。
また,行政不服審査法の改正案もフォローされていることからその意味でも時間がある時に一読をするのがよいのではないでしょうか。

なお,2009年7月21日に衆議院が解散され,17の政府提出法案が廃案となり,行政手続法改正案,行政不服審査法案と行政不服審査法施行関係法整備法案も廃案になっています。その点は注意が必要です。これらの概要については,ジュリスト 2008年7月15日号(No.1360)の「【特集1】行政不服審査法・行政手続法改正に向けて」とジュリスト 2009年2月1日号(No.1371)と「【特集】行政不服審査法改正・行政手続法改正の検討――行政法研究フォーラムでの検討結果」を読むと良いと思います。

一応,行政法概説〈1〉行政法総論 第3版行政法概説〈2〉行政救済法 第2版を通して読んできました。読みやすいのですが,分量的にはハードなので,できれば骨組みが分かる本を先に一読しておくか,目次をコピーして今どの部分を読んでいるかを確認しながら読むことをお薦めします。ふぅ。
行政法概説〈2〉行政救済法 第2版行政法概説〈2〉行政救済法 第2版

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posted by まったりな。 at 07:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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