2010年03月17日

固有必要的共同訴訟の不利益変更について

本件は,被上告人が,上告人らに対し,上告人Y が民法891条5号所定の相続欠格者に当たるとして,同YがAの相続財産につき相続人の地位を有しないことの確認等を求める事案である(以下,上記確認請求を「本件請求」という。)。

判決要旨
甲の乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるのに,乙に対する請求を認容し,丙に対する請求を棄却する趣旨の判決がされた場合,上訴審は,甲が不服申立てをしていなくても,合一確定に必要な限度で,上記判決を丙に不利益に変更することができる。

最判平22・03・16(原文PDF
(1) 被上告人の上告人Y に対する控訴の適否について
本件請求に係る訴えは,共同相続人全員が当事者として関与し,その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相当である(最判平16・7・6)。したがって,本件請求を棄却した第1審判決主文第2項は,被上告人の上告人Yに対する請求をも棄却するものであるというべきであって,…訴訟経過に照らせば,被上告人の上告人Yに対する控訴につき,控訴の利益が認められることは明らかである。

(2) 本件請求に関する判断について
ア 本件請求に係る訴えは,固有必要的共同訴訟と解するのが相当である…ところ,原審は,本件請求を棄却した第1審判決を上告人Yに対する関係でのみ取り消した上,同Y に対する本件請求を認容する一方,同Yに対する控訴を却下した結果,同Yに対する関係では,本件請求を棄却した第1審判決を維持したものといわざるを得ない。このような原審の判断は,固有必要的共同訴訟における合一確定の要請に反するものである。
イ そして,原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に関する部分を,丙に不利益に変更することができると解するのが相当である(最判昭48・7・20)。そうすると,当裁判所は,原判決のうち上告人Yに関する部分のみならず,同Yに関する部分も破棄することができるというべきである。

 以上によれば,上記各点に係る原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり,原判決は,全部破棄を免れない。そして,上記事実関係によれば,上告人Yは民法891条5号所定の相続欠格者に当たるというべきところ,記録によれば,同Y及び同Yは,第1審及び原審を通じて共通の訴訟代理人を選任し,本件請求の当否につき,全く同一の主張立証活動をしてきたことが明らかであって,本件請求については,同Y のみならず,同Yの関係においても,既に十分な審理が尽くされているということができるから,第1審判決のうち同Y及び同Yに対する関係で本件請求を棄却した部分を取り消した上,これらの請求を認容すべきである。

posted by まったりな。 at 05:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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