2010年03月23日

街頭募金詐欺で被害未特定でも詐欺罪が成立

街頭募金詐欺で実刑確定へ 最高裁初判断
2004 年10〜12月に大阪などで,募集したアルバイトに「難病の子どもたちを救うために募金に協力をお願いします」と連呼させ,通行人から総額約2,480万円を詐取したとして、大阪府警が全国で初めて募金詐欺を立件した事件が確定しました。街頭で募金をしていると言うだけで全部インチだと思って差し支えない思います。それで,個々の被害者や被害金額の特定が難しい虚偽の街頭募金に詐欺罪が成立するかどうかが争われた刑事裁判で,「特定できなくても詐欺罪は成立する」との初判断を最高裁が示しました。そのうえで同罪などに問われた大阪市阿倍野区の自称NPO法人代表の上告人の上告を棄却し,懲役5年・罰金200万円とした控訴審判決が確定します。

決定要旨
1 街頭募金の名の下に通行人から現金をだまし取ろうと企てた者が,約2か月間にわたり,事情を知らない多数の募金活動員を関西一円の通行人の多い場所に配置し,募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに,募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ,これに応じた通行人から現金をだまし取ったという街頭募金詐欺について,その特徴(判文参照)にかんがみると,一体のものと評価し包括一罪と解することができるとされた事例
2 包括一罪と解される上記のような街頭募金詐欺の罪となるべき事実について,募金に応じた多数人を被害者とした上,被告人の行った募金の方法,その方法により募金を行った期間,場所及びこれにより得た総金額を摘示することをもってその特定に欠けるところはないとされた事例

最決平22・03・17(原文PDF
本件においては,個々の被害者,被害額は特定できないものの,現に募金に応じた者が多数存在し,それらの者との関係で詐欺罪が成立していることは明らかである。弁護人は,募金に応じた者の動機は様々であり,錯誤に陥っていない者もいる旨主張するが,正当な募金活動であることを前提として実際にこれに応じるきっかけとなった事情をいうにすぎず,被告人の真意を知っていれば募金に応じることはなかったものと推認されるのであり,募金に応じた者が被告人の欺もう行為により錯誤に陥って寄付をしたことに変わりはないというべきである。

この犯行は,偽装の募金活動を主宰する被告人が,約2か月間にわたり,アルバイトとして雇用した事情を知らない多数の募金活動員を関西一円の通行人の多い場所に配置し,募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに,募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ,これに応じた通行人から現金をだまし取ったというものであって,個々の被害者ごとに区別して個別に欺もう行為を行うものではなく,不特定多数の通行人一般に対し,一括して,適宜の日,場所において,連日のように,同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであり,かつ,被告人の1個の意思,企図に基づき継続して行われた活動であったと認められる。加えて,このような街頭募金においては,これに応じる被害者は,比較的少額の現金を募金箱に投入すると,そのまま名前も告げずに立ち去ってしまうのが通例であり,募金箱に投入された現金は直ちに他の被害者が投入したものと混和して特定性を失うものであって,個々に区別して受領するものではない。以上のような本件街頭募金詐欺の特徴にかんがみると,これを一体のものと評価して包括一罪と解した原判断は是認できる。そして,その罪となるべき事実は,募金に応じた多数人を被害者とした上,被告人の行った募金の方法,その方法により募金を行った期間,場所及びこれにより得た総金額を摘示することをもってその特定に欠けるところはない

posted by まったりな。 at 19:09 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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