2010年06月15日

『毛利は残った』

毛利氏は主人公の毛利輝元の祖父・毛利元就が築いた業績と家臣団により豊臣政権下では,周防・長門・安芸・石見・出雲など120万5,000石の所領を有する大大名となっている。本書では,関ヶ原の戦いの前夜にあたる家康が上杉景勝討伐に出陣するころからは始まる。安国寺恵瓊の説得により大坂に向かったを受けた輝元は,三成らの策謀により総大将への就任を一門や重臣に相談することなく西軍の総大将になることを受諾させられてしまう。

西軍の総大将といっても面目保つために就任したため相変わらず状況にたんに対応していくだけで一貫して三成ら作戦に引きずり回され,かろうじて単にめんどくさいためと毛利の主力を温存するため大坂城から一歩も出ない。まったく情報収集すらしていない。ほどなく徳川家康に申し出て,自ら大坂城から退去した。その間も親家康派・吉川広家と主戦論者の毛利秀元の対立に引きずりまわされて全く決断できない。周防・長門2ヶ国の37万石に大減封され,

このようなお人好し・お坊ちゃん大名・毛利輝元の関ヶ原後の所領の経営と家臣団の統率に焦点を当てた小説です。周防・長門2カ国は嫡子秀就を宛名として与えたため輝元は家督を秀就にゆずり剃髪して幻庵宗瑞となり後見として長州藩を運営しています。毛利をつぶしたい幕府にいじめ抜かれますが隠忍自重をして行く一方で,支配体制の強化を目的に熊谷元直一族や吉見広長を粛清し,益田元祥を取り立てるなどする一方で,関ヶ原の失策を踏まえた意地による反抗のためか内藤元盛を佐野道可と変え,軍資金と兵糧を持参し大坂城に入城させたりする。心を入れ替え,どん底から這い上がり,なんとか長州藩の礎を築くさまは壮絶です。
毛利は残った毛利は残った
近衛 龍春

毎日新聞社 2009-06-19
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posted by まったりな。 at 06:00 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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