2010年07月30日

『王の逃亡』

いよいよヴァレンヌ(逃亡)事件です。立憲君主派の革命のライオン・オノーレ・ミラボーの死を機に革命の先行きを憂慮したルイ16世は王妃マリー・アントワネットの実家であるオーストリアへ逃亡することを企てた。本書はヴァレンヌ事件にについてルイ16世の立場から一貫して書かれ,最後の方では王の逃亡を知った議員や市民がいよいよ共和制へ踏み出させる景気になっていく様が語られています。それまでは比較的多数を占めていた国王擁護の立場をとっていた国民も含めて革命は急進化しフランス第一共和政の樹立につながることとなります。

まぁ『ベルサイユのばら』の印象が操作が強いのかアントワネットとフェルセン(フェルゼン)の関係ばかりがクローズアップされますが本書ではルイ16世が主人公なのでフェルセンはちょっと間抜けな貴公子ということなります。またマリー・アントワネットへのちょっと屈折したような感情もかかており新たなルイ16世観がえられます。また5巻までは殆ど触れられないルイ16世のフランス革命をめぐる人間のみかたや国民観など詳しく書かれて面白くよめました。最後ではブルジョアとサンキュロットの対立が鮮明となってくるところもわかりやく読み易くなっています。完全にヴァレンヌ事件だけにスポットが当てられているのでこのX巻だけでも楽しんで読めます。おすすめです。
王の逃亡―小説フランス革命〈5〉 (小説フランス革命 5)王の逃亡―小説フランス革命〈5〉 (小説フランス革命 5)
佐藤 賢一

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posted by まったりな。 at 21:58 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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