まぁ『ベルサイユのばら』の印象が操作が強いのかアントワネットとフェルセン(フェルゼン)の関係ばかりがクローズアップされますが本書ではルイ16世が主人公なのでフェルセンはちょっと間抜けな貴公子ということなります。またマリー・アントワネットへのちょっと屈折したような感情もかかており新たなルイ16世観がえられます。また5巻までは殆ど触れられないルイ16世のフランス革命をめぐる人間のみかたや国民観など詳しく書かれて面白くよめました。最後ではブルジョアとサンキュロットの対立が鮮明となってくるところもわかりやく読み易くなっています。完全にヴァレンヌ事件だけにスポットが当てられているのでこのX巻だけでも楽しんで読めます。おすすめです。
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