2012年02月04日

『聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎』

聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎 (PHP文庫)聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎 (PHP文庫)
半藤 一利

PHP研究所 2006-08-02
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鈴木貫太郎って終戦時の内閣総理大臣ってことしか知らなかったのですが,半藤一利の本でこの本の存在を知り読んでみました。本書には高木俊朗の解説もあり結構読み応えがあったりします。あとがきにあるように日本海軍史と日本の近代史が大まかにつかめる点でも良いと思います。

本書で印象に残るところは,やっぱり終戦へ向けての鈴木貫太郎と昭和天皇の絆を元にした活躍だろう。軍部の反乱など(宮城事件などもあった。)への目配りしながら終戦への鈴木貫太郎の行動はその年齢を考えても驚く。、鈴木貫太郎と阿南惟幾(これちか,陸相)の表向きの葛藤と信頼関係なども感動をする。ちなみに,阿南陸相は終戦の詔勅に副署した後に敗戦の責任を痛感し,ポツダム宣言の最終的な受諾返電の直前に陸相官邸で自刃してしまう。本書では鈴木貫太郎をかっこよく書いているが,ソ連に米英との講和の仲介を工作に望みをかけ,一方で陸軍の反乱へ対処するため最後まで戦争継続のポーズをとり続けていたことにやっぱり違和感を覚える。満州からの引き上げについてもう少し配慮がなされていれば悲劇は多少は緩和されたのではないかと思ってしまう。

その他に,223ページからのルーズベルト大統領への弔意をあらわすところなどは鈴木貫太郎の人間性を表しているところで,この本を読んで初めて知ったのでビックリしました。また,136ページからの昭和天皇と鈴木貫太郎が絆を深めていくところと鈴木貫太郎が侍従長を辞めた後の昭和天皇の孤独な姿がリアルに描かれています。前者は心温まる内容である一方で,後者は徳による統治を目指しながら戦争を遂行している統治者との相克(天皇と大元帥の相克ということになるか。)で孤独な昭和天皇の苦悩がよく表れています。

参考リンク
鈴木貫太郎記念館
鈴木貫太郎記念館

posted by まったりな。 at 00:26 | 千葉 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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