2013年03月12日

『ジャコバン派の独裁』

小説フランス革命 IX ジャコバン派の独裁小説フランス革命 IX ジャコバン派の独裁
佐藤 賢一

集英社 2012-12-14
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フランスに不利な戦況などの情勢の変化や度重なる敗戦の中で,拒否権を発動するルイ16世によって国政も停滞した。反戦派の中心であったロベスピエールやダントン,マラーが主導し,8月10日事件を機に王権の廃止を要求し,実現させる。ロベスピエールの案に従って国民公会の召集を決議し,政界の情勢も一変するなかでブルボン王政はついに終わりました。本書は,この後のジャコバン派が独裁へ向けて動き出すところを扱っています。ジロンド派は穏健共和主義者の集まりであったはずなのに共和制が樹立されたが大衆の支持を失った。逆にジャコバン派の中から,台頭する左派勢力であるロベスピエールやサン=ジュストといったモンターニュ派と呼ばれる勢力が支持を集めるようになりました。本書では「デュシェーヌ親父」を創刊したジャック・ルネ・エベールが主人公と言って良いでしょう。卑語を駆使して右派を激しく攻撃しして,サン・キュロットをあおっていたエベールなので,やたらと汚い言葉が飛び交いますが,なんとなく混沌とした雰囲気が伝わってきておもしろいです。もっとも,ジロンド派が支持を失っていく様子はあまり意識できないのが少し物足りない感じがしました。次は,ジャコバン派内部での派閥闘争をへて独裁政治に移っていくわけですが,民主主義が危機に瀕するのはどういったことなのか期待したいところです。

posted by まったりな。 at 22:24 | 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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