![]() | 戦後経済史 野口 悠紀雄 東洋経済新報社 2015-05-29 売り上げランキング : 3626 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1980年代のバブル経済を先駆的に警告した野口悠紀雄氏のいままでの本を読んでいれば戦時経済体制=1940年体制という観点に立って戦後の経済史を素描したものです。それと同時に野口悠紀雄氏の体験を書いておりちょっとした自分史でもあるようです。これまで戦時経済体制=1940年体制についての本を読みでいればあまり目新しいことはないかなと思います。それでも,”第6章世界は日本を置き去りにして進んだ 1980-”と”エピローグ--われわれがいまなすべきは何か?”と”おわりに 「頭の中にある40年体制」を克服できるか”はこれからの日本についての語られていて読む意味があるのではないでしょうか。
日本の産業構造や経済体制が時代の新しい条件に適合しなかったことが,日本経済の不調の基本的な原因だったのです。(295ページ)
円安は麻薬です。衰退の本当の理由を追及せず,一時的な利益を求めるというその場しのぎの考え方が,いまに至るまで一般的になってしまっていることに,私は違和感を抱き続けています(301ページ)
これらが特に印象的でした。
参考リンク
・野口悠紀雄Online
・野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて